今、幸せを感じた

ドリーム小説  道を聞かれた。見たことのない顔。モンドの人か、その他の国か。璃月の人ではないみたいで。
 私も、璃月は詳しくはないのだけど・・・。「ここなんですけど」と、地図を見せてくる。ああ、これなら少しはわかるかもしれない。
 地図が教える目的地へ向かうにつれ、おかしいなと思った。この辺って、お店とかない裏道だ。だから、それを尋ねようと男の人を見ると、いきなりガバッと顔に何かがかぶせられた。目の前が真っ暗になる。

 「早く連れてけ!」

 怒鳴り声。そして体が浮く。担ぎ上げられたかしたのだろう。「キャア!」と悲鳴をあげた。
 ウソでしょ・・・!? 私、誘拐された・・・? 西風騎士団の一員が、こんなバカなことする!?

 「イ・・・ヤっ!! 放してっ!!」
 「おっと、暴れんな。すぐに着くからよ」
 「どこへだ?」
 「あ?」

 乱入してきた声に、男たちが動きを止める。何せ目隠しされているから、状況がわからない。

 「なんだ、兄ちゃん。邪魔しようってのか?」
 「彼女は俺の連れだ。さっさと放せ」

 え・・・待って、この声って・・・。

 「上玉だからな、そう簡単には渡せねえなあ。邪魔するなら、痛い目を見てもらうぜ?」
 「怪我をしたくないなら、やめた方がいい」
 「うるせえ! 3対1で余裕こいてんじゃねえ! 構わねえ、やっちまえ!」

 目隠しはされているけれど、手を縛る時間がなかったらしい。顔にかぶせられたものを取る。巨漢の男に、担ぎ上げられていた。残念ながら、背後で繰り広げられている様子は見えない。けれど、結果が出るまで、数分もかからなかった。
 私を担いでいた男が、そのまま逃げようとした瞬間、目の前に柱が現れ、男が激突する。私の体が落ちる。だけど、地面に体を打ち付けるより先に、私の体を抱きとめてくれた人がいる。

 「大丈夫か?」

 石珀色の瞳が私の顔を覗き込む。ああ、やっぱり・・・私を助けてくれたのは、予想通りの人物。

 「鍾離さん・・・!」

 思わず、鍾離さんの首に腕を回し、抱きついていた。そんな私の背中を、鍾離さんが撫でてくれる。
 見回りの千岩軍が来るまで、彼は私を抱きしめてくれていた。
 千岩軍の人にいきさつを話し、私たちは解放された。薄暗かった空には、もう星が見える。

 「災難だったな。偶然通りがかってよかった」
 「はい。ありがとうございました。本当に助かりました・・・」
 「大丈夫か? あんなことがあったんだ。今日は誰かと一緒がいいのではないか? 胡堂主は留守だが、事情を話せばどこか・・・」
 「・・・鍾離さんと、いたい、です」

 ポツリとつぶやいた本音に、鍾離さんが「え?」と声をあげる。

 「・・・え!?」

 そして、一拍遅れて私も声をあげた。私、今なんて・・・? いや、一緒にはいたいけれど!

 「いいのか? 俺で」
 「は、はい・・・」

 あ、あれ? なんか、今の問いかけって。いや、気にしすぎか。とにかく、今は1人でいたくない。
 これは、おかしな状況だとわかっている。だって、私たちは恋人じゃない。それなのに、夜、男の人の部屋に、行くなんて。
 でも、胡桃ちゃんはいないって言うし・・・行秋くんのところへ行くわけにはいかない。アンバーのところへ行ったら、余計な心配させて、「モンドに戻っておいで!」と言われるだろう。
 部屋に入り、すすめられた椅子に座り・・・フト、これはとんでもないことだと、改めて思った。

 「胡堂主の家でなくて、本当にいいのか?」

 おそらく、これが最後だ。これを逃したら、鍾離さんはもう確認してくれない。わかっている。

 「はい、はい・・・ここで大丈夫です・・・」
 「そうか。だが、俺も1人の男だ。警戒した方がいいのではないか?」
 「ひ、1人になるの、怖いんですよ・・・!」
 「わかっている。すまない、意地悪を言ったな」

 言いながら、鍾離さんは上着を脱いだ。それだけだというのに、ドキッとした。
 いやいやいや・・・! 何をカン違いしてるの!! 上着を着たまま、眠れるわけないじゃない!
 そういえば、いつもカッチリ服を着こんでるから、新鮮だ。そのつもりはなくても、ついつい見入ってしまった。

 「どうした?」
 「えっ!? あ、いえ! なんでも・・・!!」

 見つめていたのがバレたらしい。私はとっさに目を逸らした。

 「湯を沸かしてこよう。風呂に入るといい」
 「えっ・・・! あ、そ、そう、そうですね」

 なんだか、どんどんおかしな方向へ行ってるみたいだけど・・・? 大丈夫かな。
 いや、そりゃ、なんていうか・・・私は、鍾離さんになら、いい。きっと、大事にしてくれるだろうし。
 うわわわ! 何考えてるの! 慌てて変な考えを頭から追い払った。
 だけど、お風呂から上がって、先ほどの場所へ行くと、鍾離さんはシャツにズボンというラフな格好でくつろいでいた。その姿が、なんというか・・・大人の男性の色香がプンプンして、クラクラしてしまった。

 「あ、お先にありがとうございました」
 「うん? ああ、上がったか。ならば、寝室へ案内しよう」
 「あの、鍾離さんはどこで休まれるのですか?」
 「俺か? 俺は先ほどの椅子で」
 「えっ! そ、そんなのダメです! 私がお邪魔したのに!」

 部屋の主である鍾離さんから、ベッドを奪うなんて、それはさすがに許されない。私のワガママで泊めてもらうのに。

 「だが、お前は客人であり女性だ。お前をあんな場所で寝かせるわけにはいかない」
 「でも、ここは鍾離さんの家です。私がベッドを使うわけにはいきません」
 「・・・ならば、一緒に寝るか?」
 「えぇ・・・!?」
 「冗談だ」

 ・・・・・・。鍾離さん、冗談とか言うんだ。いや、でも・・・。

 「い、一緒に寝ても、いいですよ・・・」

 私、正気か!? でも、鍾離さんも私が引くつもりがないことをわかっていたようだ。それ以上、何も言わず「風呂に入ってくる」と告げ、出て行った。
 べ、別に一緒に寝るからって、そういうことになると決まったわけじゃないし!
 なんて、余裕でいたんだけど。いざ、湯上りの鍾離さんを見たら・・・理性が吹っ飛びそうです。色っぽい。なんですか、この人。シャツのボタン、上3つくらい開いてるんですけど、そこから覗く鎖骨に、再びクラクラした。

 「? どうした?」

 どうした、って・・・答えたかったけど、それどころじゃない。危険すぎる。なんでもない、とブンブンと首を横に振った。鍾離さんが「そうか」とあっさりつぶやく。
 「それじゃあ、もう休もう」と、鍾離さんが告げる。ああ、もう。なんてことないように告げる彼に、私はもどかしくなった。
 だって・・・私は・・・鍾離さんが好きなのだから。
 明かりが消えたその瞬間、先ほどの光景が蘇り、私は「イヤッ!」と思わず声をあげていた。

 「あ・・・ご、ごめんなさい。さっきのこと、思い出してしまって・・・」
 「そうだったか、すまん。今、明かりを」

 すぐに辺りが明るくなる。だけど、恐怖は消えない。鍾離さんの体に、すがりついていた。

 「、大丈夫か? すまなかった。お前のことを、気遣えず」

 そっと、鍾離さんの手が私の頭を撫でる。優しいその手つきに、私は彼の体に抱きつくように、片手を背中に伸ばした。途端、鍾離さんの動きが止まった。

 「? どうした。まだ怖いか?」
 「・・・はい」
 「そうか。お前が望むなら、このまま抱きしめていてやるが?」
 「お、お願いします・・・」

 まさか、鍾離さんから提案されるなんて。けれど、そうしてほしいのは本心だ。

 「あ、あの・・・」
 「うん?」
 「しょ、鍾離さんは、ドキドキしないんですか?」

 私のその言葉に、鍾離さんが息を呑んだのがわかった。私、何かいけないことを聞いただろうか?

 「お前はどうなんだ? 緊張していないのか?」
 「えっ! わ、私ですか? そりゃ、してます! 好きな人と、こんなにくっついて!」
 「好きな人?」
 「え・・・? あ・・・!」

 しまった・・・! 口を滑らせて、余計なことを! チラリと鍾離さんを見ると、珍しいことに目を丸くしていて。次いで、目を逸らした。

 「ご、ごめんなさい! わ、私・・・こんなこと、言うつもりじゃ・・・」
 「
 「は、はい」
 「俺も、お前のことは好ましく思っている。だから、この状況は良くない」
 「よ、良くないって、どうしてですか?」

 今、なんだか信じられないことを聞いたような気が・・・。聞き間違い?

 「このまま、お前を俺のものにしたくなる」
 「・・・は?」

 ちょ、ちょっと待って? 今の、どういう意味?? いや、わかるんだけど。でも、都合が良すぎる。
 だけど、鍾離さんの手が私の頬に触れた。そして、そっと微笑んできて。

 「これ以上、怖がらせるつもりはない。さあ、もう寝よう」
 「あの、しょ、鍾離さん・・・私・・・私は・・・」

 ギュッと目を閉じる。ドキドキしてる。これから、もっとドキドキすることを言うというのに。

 「しょ、鍾離さんになら・・・いいです・・・」

 何が?なんて聞かれなかった。それにホッとした。まさか、そこまで鈍感ではなかった。
 名前を小さく呼ばれる。そっと顔を上げれば、キスされた。触れるだけだったけど、それは何度もされていくうちに深くなってくる。
 何度も口づけし、息苦しくなって、口を開けた瞬間、ヌルリとしたものが口内に侵入してきた。それが鍾離さんの舌だと気づく。

 「・・・ふ・・・う・・・」

 思わず、鼻にかかった声がもれた。薄明りの室内に、チュ・・・チュ・・・とリップ音が響く。

 「ふ・・・あ・・・しょ、りさ・・・」
 「続けても?」
 「は、はい・・・」

 心臓が、ものすごい勢いで動いてる。これから何をされるのか、わかるようでわからない。何せ私は、初体験だからだ。
 鍾離さんの唇が、私の首筋にキスをし、耳元に吐息を吹きかけられる。ゾクゾクし、肩が震えた。
 キュッと唇を噛み、声を押し殺そうとしているのは、バレているだろう。鍾離さんの手が、胸の辺りに触れ、撫でる。それだけで気分が高揚してしまう。優しく撫でるだけだった手に、力が込められた。
 そのまま、服の上からやわやわと揉まれ、下腹部がうずいてきた。なに、これ・・・?
 グイッと服が上にまくられ、下着に包まれた胸が露わになってしまう。

 「あ、あの・・・鍾離さん・・・」
 「うん? どうした?」
 「あまり見ないでください・・・は、恥ずかしいので・・・」
 「恥ずかしい? 恥ずかしがる必要はない」

 え・・・?と声をあげる私を無視して、下着がずり降ろされる。裸の胸が、空気に触れ、先端が張り詰めたのがわかった。
 カァ・・・と顔に熱が集まる中、鍾離さんの手が胸に触れ、やんわりと力を込めてきた。優しい愛撫だけど、体の芯が熱くなっていく。そんな私の様子に気づいているのか、いないのか、鍾離さんが舌で胸の先端を突いてきた。

 「ひゃ・・・!!」

 可愛くない悲鳴が漏れる。鍾離さんはそれを気にせず、今度は胸に吸い付いてきて。チュウ・・・と音を立てて吸い付いてくる。
 ああ・・・頭の中が真っ白になる・・・。私、鍾離さんと・・・するんだ・・・。
 唇を噛んで、声を殺す私を見て、鍾離さんは胸から口を放し、キスをしてくれた。そしてそのまま、手を滑らせ、太ももを撫で、そこに触れた。
 誰も触れたことのない場所。私だってそうだ。そこに、私の好きな人が触れている。
 下着の上から割れ目をなぞられ、思わず声が漏れる。そして、鍾離さんの長くて細い指が、ツプリと蜜壺に差し込まれた。

 「あ・・・! やぁ・・・!」
 「嫌か。やめるか?」
 「あ・・・う・・・や、やめないで、ください・・・」
 「続けるぞ」

 キレイな石珀色の瞳が、獰猛な獣のようにギラギラしている。こんな鍾離さんは、知らない。
 煩わしくなったのか、グイッと下着が脱がされる。声をあげるヒマもなかった。
 最初は痛かったそこが、次第にぬかるみ、ヌルヌルと指がスムーズに出し入れされる。クチュクチュといやらしい水音がした。

 「ふっ・・・う・・・ん・・・!」

 ああ、なんていやらしい声。だけど、鍾離さんはとても満足そうで。指がゴリゴリと私の膣内を押し上げる。
 ダメだ・・・なんか来る・・・ゾワゾワと背中を這いずる何か。指の動きが激しくなり、入り口上の突起を圧し潰された瞬間、声が浮き、甲高い声があがってしまった。
 鍾離さんの指が蜜壺から抜かれ、服を脱ぎ始める。とっさに私は目を逸らした。
 残っていた私の服も脱がされ、お互いに一糸まとわぬ姿になる。そして・・・私の入り口に硬いものが押し当てられ、先端がゆるく膣内に入り込んできた。

 「あ・・・! イタッ・・・!!」
 「すまない。出来るだけ優しくする」
 「っ!!」

 指とは比べ物にならない質量のものが、中に入り込み・・・ミシミシと音を立てていそうなほどの激痛に、私はギュッと目を閉じた。目じりに涙が浮く。

 「ハァ・・・温かいな・・・お前の中は・・・」
 「あぁ・・・はぁ・・・」
 「すまん。つらいか? 少し、我慢してくれ」

 ズルリ・・・抜け出たソレが、再び入り込む。何度かそれを繰り返すと、鍾離さんは私に覆いかぶさるように、体を倒し、腰を振った。

 「うっ・・・う・・・あ・・・んぅ・・・」
 「っ!! く・・・!」

 私の口と、鍾離さんの口から、吐息が漏れる。
 やがて、私は快楽の波に呑まれる。鍾離さんは腰を打ち付け、そして私の中に熱いものを吐き出した。
 ハァ、ハァ・・・とお互いに荒い呼吸をし、ズルリと鍾離さんのモノが抜ける。ドロリとした液体が、膣内からこぼれ出たのがわかった。

 「大丈夫か?」
 「は・・・い・・・」

 私を気遣う鍾離さんは、キスを1つしてくれて、ギュッと抱きしめてくれた。
 ああ、幸せだ・・・。好きな人と、1つになれて・・・。
 と、思ったのに。翌朝、下半身の違和感と筋肉痛に、1日動けなくなったのだった。
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